芸術の都プラハで、オペラ鑑賞デビュー‼︎
「旅」って刺激が多くって、五感をフル回転できる経験ですねぇ。
目で見たり、耳で聞いたり、鼻で匂ったり、口で食べたり、手で触ったり。
私は定番ですが、世界遺産などの名所を見るのが好き。
それから、訪れた国や地方の名物やお酒を飲んだり食べたりするのも好き。
旅行中は、目と口がたくさん働いています(あと胃袋も)。
今回はせっかくプラハに一人できたので、自分の感覚をたくさん使って、全身で観光したい! と思いました(ほんとは、誰かと来たい)。
プラハは建築もさることながら、芸術や音楽が溢れている街。
オペラやオーケストラ、バレエやマリオネット人形劇などが、たくさん開催されているんです。なんと連日! 演じられている舞台も、劇場でやったり、教会でやったりといろいろです。
毎日、いたるところで見ることができるなんて、本当に素晴らしい〜〜〜!
「日々の暮らしの中に芸術がある」という「身近感」こそ、芸術を大事にしている証だなぁと思いました。今日の仕事が終わったらバレエを観に行こうとか、今度の休日のデートはオペラにする?とか・・・。そんな風に、毎日の生活の一部として、当たり前に芸術がある暮らしって素敵。
伝統で格式が高いからこそ大切に扱わなくちゃっ、チケット費用も高級にっ、と、「毎日」から切り離してしまっては、少しずつ廃れてしまいますよ…。
人が作るものは、人が見て感じてこそ、意味のあるもの。
(一人で旅行すると独り言も多いし、脳が寄り道するからこんなことも考えてしまう)
そういや、日本でも落語を初めて観たときに「なんやー、めっちゃ楽しい!」と思ったことがあった。見るまでは、古典的で私は楽しめない!と決めつけていた芸能だったから、あまりにもいい意味で普通で(芸自体はすごいよっ)、すんなりと楽しめて、目から鱗だった。まだ観に行ったことのない能や歌舞伎も、日本に帰ったら行ってみたいなぁ。
今回海外にくるまでは、「ドイツいいなー、欧州いいなー(日本ダメだなー)」と他国を羨むばかりだったけど、日本にもいいところがある、と思えたことがいっぱいあって。海外に出てみて、よかった。
話をチェコ観光に戻しまーす。
チェコの物価が安い、ということもありますが、日本よりもかわいい(安い)金額で鑑賞できるので、お値段のはりがちなオペラを鑑賞することに決めました。
人生初のオペラです‼︎
だから、そもそもオペラってなに? という状態です。
「歌を歌う」ということはわかるけれども、それ以外がよくわからない〜〜。
でも、
とりあえず、チケットを買わなければ始まらない!
プラハ二日目は、オペラのチケットを買うことからはじめました。
ネットで予約もできますが、どうやらチケットを自分で印刷しなければならないみたいです。旅行中だからプリンターないし、たとえ印刷できなくてもスタッフさんに状況説明できればいいとは思うのですが、語学力に不安のある私は、直接、チケットセンターに行って、チケットを買うことにしました!
※チケットをネットで購入できる方はこちら↓
オペラのチケットセンターは、National Theatre(国民劇場)の横にあります。
鑑賞は夜なので、宿からも近い「National Theatre(国民劇場)」で鑑賞したい!
本日、見ることのできるオペラ演目は「Aida(アイーダ)」でした。
初耳のストーリーではあったものの、オペラの代表演目のようなので、これに決定!
<アイーダのストーリー>
舞台は紀元前の古代エジプト。エジプトとエチオピアは戦争中。エジプトの将軍(ラダメス)と、わけあってエジプト王女(アムネリス)の奴隷として仕えているエチオピアの王女(アイーダ)のラブストーリー。ラダメスとアイーダは相思相愛で、アムネリスが嫉妬して色々と邪魔するよ、というお話。
※ストーリー詳細はこちら↓
格安でオペラが鑑賞できる、とは言っても当日にチケットを買うのはなかなか難しいことだったみたいで、購入できる空席は1席のみ。
しかも、約1万円する前方の良い席。
うーん、高い。安いと思っていただけに、高い。。。
と悩みましたが、そもそもこの機会を逃したらプラハでオペラをみる機会がなくなってしまうわけで、残り1席があったこと自体がラッキーだと思い直して購入しました!
はじめが肝心、いいポジションで見よう!
前から7列め。19:00スタート。
ちなみに、プラハで オペラはここだけではありません。計画性と時間の余裕があったら、もっと選べます。
<オペラが鑑賞できる場所>
National Theatre(国民劇場)
Estates Theatre(エステート劇場)
state Opera in Karlin(国立歌劇場)
事前にネットで何をみようか、準備できたら、ベストです。
チケットセンターの前にも、演目カレンダーがありました。
日中は別の観光地を巡って・・・時間が流れて、夜になりました。
そういえば、オペラを鑑賞しようを思えたのは「ワンピースを持っていた」から。
たまたまガウンっぽい黒のワンピースをミュンヘンで購入していて、チェコにも持ってきていたから、トラディショナルな場所にも乗り込もう!と思えたのです。街は石畳だから、ハイヒールを履かなくてもいい理由はあるし(危険だからね)、足元はムートンブーツでも大丈夫だろう!と。でも、やっぱり服装は、ジーパンやズボンやボーダーなどのカジュアルな服装は、たとえ会場に入れても、居たたまれない・・・。
この服を持っていたからこそ、トライしようという気持ちになれたのでした。
だから簡単でも薄くてもいいから、女子はシンプルなワンピースを持っておくべき!
これは、今回強く感じました。
ただバックは持っていなくて、めっちゃアウトドアブランドのカリマーのウエストポーチを、クラッチバック持ちして、なんとか頑張りました(すごい違和感あったけど、最先端でしょ、ばりに)。
ドキドキ、です。
外には列ができていて、服装で・・・圧倒的に負けてる・・・。
でも、入る。
チケット、1万円だもん!
チェットを渡して、席の方角を教えてもらい、中へ。
ドキドキしながら、座席へ。
開場前には、オーケストラの人たちが、ガンガン練習していました。
音漏れというレベルではなく、普通に吹いている。
その中を、開演待ちながら、ロビーでお酒を飲んだり、談笑したりしています。
空気に圧倒されて、縮こまるわたし。
3時間後…
右から二番目が、アイーダ。三番目が、モテ男のラダメス。
左から二番目が、嫉妬に燃えまくったアムネリス。
まずオペラ初鑑賞の感想は、「結構長い」。
小休憩と大休憩を挟んで、だいたい3時間くらいあります。
それから「動きは少ない」。
このアイーダという演目は、バレエの要素も少し入っていて、脇役の女性2人が出てくるときには踊りがありました。それ以外は、そこまで動きは大きくない。ミュージカルのような歌って踊るということはなく、演技はするものの、あくまでも歌がメイン。
最後に、「歌はやっぱりすげえ」。
マイクを通さずに建物内に音を響かせる声量もすごいし、ハモったり、全然違う曲を重ねて歌って気持ちいい一つの音楽になるところが、人間ってすげえ〜と思いました。
歌やハモリが好きな人は、楽しめると思います。
わたしは楽しめました。ただ、ダンスが好きなので、今度はバレエを見てみたいな〜、という気持ちになりました。
あとストーリーについては、「男女の愛」を中心に物事が動いていて、客観的にすげーなーと思いました。主観的に感情移入はできなかったな。うわー、羨ましいなー、と。
展開としては、お互いを思いやるラダメスとアイーダの愛にスポットが当たってるけどど、アムネリスが一番わたしに近いような気がする。
アムネリスは嫉妬しすぎて「彼は死んだよ」とアイーダに嘘ついちゃうとか、「私を好きになれば命を助けてあげるよ」とラダメスに迫っちゃうとかするんですね。自分本位な愛をぶつけるんですわ。あー。不器用さん、と。
アムネリス、あんたのことを愛してくれる人がいたら、きっとその激烈な性格も、少しは丸くなっただろうよ。愛された実感がないと、どうしても自分本位になっちゃうよね。王女ゆえの、辛さよ。。。
わたしは王女ではないものの、「偏った愛」 タイプだと思うので、この不器用さんの気持ちは少しわかる。アイーダみたいに、美しく優しく健気なやつ、羨ましいよね。
頑張ろう、アムネリス。
おしまい。
【引用文献】地球の歩き方編集室『地球の歩き方A26 チェコ/ポーランド/スロヴァキア 2018〜2019年版』(ダイヤモンド社、2018年)